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30目、40目、チャンカー、テクスチャライザー — セニングシザーの種類と使い分け。

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セニングシザーは、毛量を減らすための専用工具です。ただ単に「髪を切る」のではなく、「どのくらい切るか」を設計する道具であり、目の数、刃の形、セニングレートによって仕上がりが大きく変わります。

セニングシザーの基本構造

セニングシザーは、片方の刃がコンベックス刃(またはベベル刃)の通常の刃で、もう片方の刃に歯(くし状の切り込み)が入った構造をしています。通常の刃は髪を切り、歯の部分は髪を逃がす役割を持ちます。結果として、一度の動作で毛束の一部だけが切られ、残りはそのまま残ります。

目の数(歯数)

セニングシザーは、歯の数(目)で分類されます。目の数は、「通常サイズのシザーに対して何本の歯が入っているか」を示します。

歯数セニングレート特徴主な用途
10–15目40–60%チャンカー。大きな毛束を大胆にカットボリューム除去、レイヤー
20–25目25–35%中間。汎用的全般的な毛量調整
30目15–25%繊細なセニング、自然な仕上がりドライカット、テクスチャー調整
40目以上10–15%非常に細かいテクスチャライザー毛先の馴染ませ、質感調整

30目と40目の違い

現代のサロンで最も広く使われるのは、30目前後のセニングシザーです。一度で約15–25%の毛量を減らすことができ、自然な仕上がりと作業速度のバランスが取れます。

40目以上のセニングシザー(テクスチャライザー)は、より繊細な質感調整に使われます。毛先を馴染ませたり、重たさを残さずに表面の質感だけを変えたいときに効果を発揮します。ベテランのスタイリストやメンズカット専門のバーバーに人気があります。

チャンカー(ボリューム除去)

チャンカーは、歯数が少なく(10–15目)、一度のカットで大量の毛量を減らすための道具です。主にレイヤーカットや、全体的なボリューム調整に使われます。

チャンカーを使うときは、歯の間隔が広いため、切った跡が目立ちやすいことに注意が必要です。通常は、チャンカーでボリュームを減らした後、30目や40目のセニングで馴染ませます。

セニングレートとは

セニングレートは、「一度のセニング動作で、何パーセントの毛量が切られるか」を表す指標です。たとえば「セニングレート20%」のシザーは、通常の動作で毛束の20%を切り落とします。

セニングレートは、歯の形状、歯の間隔、刃の鋭さの組み合わせで決まります。同じ30目でも、メーカーや設計によってセニングレートは変わります。イチローのセニングシザーは、仕様ページで各モデルのセニングレートを記載しています。

歯の形状の違い

セニングシザーの歯には、いくつかの形状があります:

  • V字歯 — 歯の間隔がV字型。最も一般的で、汎用的。
  • U字歯 — 歯の先端が丸い。切った跡が目立ちにくく、自然な仕上がり。
  • 段付き歯 — 歯の深さに段差があり、より複雑なテクスチャー効果を生む。
  • ストッパー付き — 歯の根本に突起があり、毛束を逃がしすぎないようにする。

セニングシザーの選び方

セニングシザーを選ぶときの基本的な指標は、以下の通りです:

  • ボリューム除去が主な目的 — 10–20目のチャンカー
  • 日常的なセニング — 25–30目の汎用セニング
  • 質感調整やドライカット — 30–40目の繊細なセニング
  • 毛先の馴染ませ、メンズカット — 40目以上のテクスチャライザー

多くのプロスタイリストは、2–3本のセニングシザーを使い分けています。1本ですべてをカバーするのは現実的ではなく、目的に応じて使い分けることが、効率と仕上がりの両方を改善します。

セニングシザーのメンテナンス

セニングシザーは、通常のカットシザーと同じく、使用後の清掃と定期的な注油が必要です。歯の間に毛髪やスタイリング剤が詰まると切れ味が落ちるため、柔らかいブラシで軽く清掃することを推奨します。

また、セニングシザーの研ぎ直しは、通常のシザー以上に専門技術が必要です。歯の形状を保ったまま研ぐには、専用の工具と経験が必要なため、必ず信頼できる研ぎ師に依頼してください。