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コンベックス、セミコンベックス、ベベル — ブレード幾何学と切れ味の関係。

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ブレードの断面形状(ジオメトリ)は、シザーがどのように髪を切るか、そしてどの技術と相性が良いかを決めます。同じ鋼材から作られていても、刃の削り方が違えば、まったく別の道具になります。

コンベックス刃(ハマグリ刃)

コンベックス刃は、現代のプロフェッショナル ヘアシザーの標準です。日本語では「蛤刃はまぐりば」とも呼ばれ、刃の外側が緩やかに丸みを帯びた凸形状を描きます。

特徴

  • 剃刀のような切れ味 — 刃先の角度が非常に鋭く、髪を「潰す」のではなく「剃る」ように切断します。
  • スライドカット対応 — 髪の上を滑らせて切るスライドカットに必要な、抵抗の少ない刃面を持ちます。
  • 精密な研ぎが必要 — 刃先の角度が非常に鋭いため、研ぎには高度な技術と専用の工具が必要です。

イチローのほぼすべてのカットシザーはコンベックス刃です。スライドカット、ポイントカット、ブラントカットなど、現代の多くの技法に対応できます。

セミコンベックス刃

セミコンベックス刃は、完全なコンベックスではなく、刃の外側の一部に微妙な平面を残した設計です。コンベックス刃の切れ味を保ちつつ、やや耐久性を高めた折衷案です。

新人アプレンティスや、日常的にドライカットではなくウェットカット中心のスタイリストに向いています。完全なコンベックス刃よりも、研ぎ直しの頻度が少なくて済みます。

ベベル刃(片刃)

ベベル刃は、古典的なシザー設計です。片側が平らで、もう片側に角度を付けた刃を持ちます。現代のプロ向けシザーではほとんど使われていませんが、以下の用途では現役です:

  • バーバー用のトリミングシザー(髭、もみあげ)
  • 一部のセニングシザー(平らな側にストッパーがあるタイプ)
  • 子供用・初心者用の安価なシザー

ベベル刃は耐久性に優れ、研ぎが容易ですが、コンベックス刃ほどの切れ味は出ません。

剣刃(ソードブレード)

剣刃は、刃の外側が直線ではなく、日本刀のように緩やかにカーブした設計です。コンベックス刃の一種ですが、外側のラインが美学的に強調されています。

機能的にはコンベックス刃と同等ですが、視覚的な存在感と、特定のカット技法でのレスポンスが異なります。イチローの一部のシザーは剣刃の要素を取り入れています。

ブレード幾何学の基本

断面を横から見ると、シザーの刃は大きく3つの部分に分けられます:

  • 刃先(エッジ) — 実際に髪を切る部分。ここの角度が切れ味を決めます。
  • 刃の腹 — エッジから背にかけての面。コンベックスでは丸く、ベベルでは直線的。
  • 刃の背 — 強度を保つ部分。厚みがあるほど剛性が高くなります。

エッジ角度

プロフェッショナルシザーのエッジ角度は、通常40度から55度の範囲です。角度が小さい(鋭い)ほど切れ味は良くなりますが、刃先が欠けやすくなります。イチローの標準的なカットシザーは、切れ味と耐久性のバランスを考えた角度に設定しています。

スライドカットとドライカットの適性

ドライカットやスライドカットを多用するスタイリストには、完全なコンベックス刃が必須です。ベベル刃やセミコンベックス刃では、刃の抵抗が大きく、毛髪を引っ張ってしまいます。

ウェットカットとブラントカット中心の場合は、セミコンベックスでも十分な性能が得られます。ドライカットを頻繁に行うかどうかで、必要な刃の仕様が変わります。

見分け方

刃を光にかざして側面を見ると、コンベックス刃は外側が緩やかに湾曲しているのがわかります。ベベル刃は直線的で、エッジの角度がより明確に見えます。セミコンベックスは、その中間です。

イチローの全モデルは、刃の種類を仕様ページに記載しています。